2018-02-01から1ヶ月間の記事一覧

本書では、リースマンによる「自己の形は社会に応じて変化するものである」という多元的自己の考えから、平野啓一郎による「自己とは様々な他人との関係の中ではじめて成り立つ」「関係の相手や関係の内容が変化すれば、自己も変化せざるを得ない」といった…

本書第二章で、自分らしさを形成する手段として以下のような提案がなされている。すなわち消費は、自分を作ったり、表現したり、確認したりする唯一のあるいは特権的な手段であるわけではないということに注目しておきたいのである。例えば、規格化された商…

『「若者」とは誰か』というタイトルを見た際、「最近の若者は…」という、人生経験を積んだ大人から若者に対して何かコメントをするときの決まり文句が思い浮かんだ。確かに今の若者はゆとり世代・さとり世代と呼ばれ、問題視される傾向にある。そこで若者と…

筆者は「うわさ」を人と人との関係性と情報という二つの観点から捉えている。一言に「うわさ」と言ってもコミュニケーションの道具的側面と自己目的的側面を区別することがあるのである。前者は情報を伝える機能であるため内容が重視され、相手とのコミュニ…

ツイッターをはじめとするSNSで日本人が非行、犯罪行為をする様子を投稿し炎上した現象、バカッター。この現象について筆者である松田美佐氏は本書第6章でこのように述べている。このような一連の騒動の原因として、しばしば指摘されるのは次の2点である。(…

本書はうわさの成立をアメリカの心理学者による『デマの心理学者』や社会学者による『流言と社会』等古書のうわさ論から導いている。うわさといっても単なるゴシップだけでなく、都市伝説や風評被害など様々な例を挙げ、それらがなぜ人々に好まれてきたのか…